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ビットコイン、マイニングはアンチSDGs?

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気候変動に関する国際会議COP(Conference of Parties)27がエジプトで開催されています。
気候変動の影響により異常な自然災害が世界各所で発生し、その被害の深刻さは増すばかり。そんな中、ビットコインのマイニング活動も悪影響をもたらす要因の一つだという声が上がっています。

このページではこのビットコインの話題を取り上げ、共有したいと思います。

ビットコイン、マイニングはアンチSDGs?

ビットコインのマイニングがもたらす悪影響

2022年11月11日 18:18 ニューズウィーク日本版

<大量のエネルギーを消費する「マイニング」による気候への損害は、世界全体で120億ドルを超えると専門家が警告>
科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された論文によると、ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)のマイニング(採掘)は膨大な電力を必要とするため、環境的に持続不可能だという。その環境負荷は牛の飼育など他の産業を上回り、生成される通貨の価値より大きい場合もあるそうだ。

「理由は生成の過程で(取引承認の仕組みとして)『プルーフ・オブ・ワーク(PoW)』を使うからだ」と、論文の共同執筆者でニューメキシコ大学経済学部准教授のベンジャミン・A・ジョーンズは本誌に語った。

1年間にビットコインのマイニングで消費されるエネルギー量は推定75.4テラワット時。オーストリアの2020年の全エネルギー使用量69.9テラワット時を上回る。

ビットコインは最も人気のある仮想通貨であり、どの国の金融システムの枠外でも取引可能なデジタル非政府系通貨の1つ。これらの取引は匿名で、巨大なデジタル台帳の分散型ネットワークであるブロックチェーンの暗号システムによって承認される。

ビットコインなどの仮想通貨は、マイニングというプロセスを通じて生成される。ブロックチェーンシステムでは、仮想通貨の新しいブロックが取引として承認されるにはネットワーク参加者の「合意」が必須とされ、マイナー(採掘者)が高性能コンピューターを使い、複雑な暗号パズルを解く作業を通じて合意を形成する仕組みがPoWだ。
3つの持続可能性基準
そのためマイナーは、パズルを最初に解こうとして互いに競争する。「世界中のマイナーが専用のコンピューター機器を使い、膨大な量の推測ゲームに参加している」と、ジョーンズは指摘する。

「そこでマイナーはより高性能な機器に投資し、ますます電力を使うようになる。それを世界中でやるので膨大なエネルギー消費につながる」

ビットコイン・マイニングで使われる電力のほとんどは持続可能な資源ではなく、温室効果ガスを排出する石炭や天然ガスを使用する発電所から供給されているようだと、ジョーンズは言う。

「ビットコインの気候への影響は、牛肉生産やガソリンとして燃やされる原油に匹敵する。金採掘や鶏と豚の生産よりずっと有害だ」

論文では3つの持続可能性基準から、ビットコイン・マイニングの環境コストを判定した。推定される二酸化炭素(CO2)排出量の経済的コストと気候変動に伴う損害額(気候損害)が時間と共に増加しているか。ビットコインの市場価格が気候損害の経済コストを上回っているか。1ビットコイン当たりの気候損害は他の産業セクターやコモディティー(1次産品)の気候損害と比較してどうか。

その結果、ビットコイン・マイニングによるCO2排出量は、2016~21年に1ビットコイン当たり0.9トンから113トンと、126倍に増加したことが判明した。また、1ビットコインのマイニングで1万1314ドルの気候損害が発生し、世界全体の損害総額は120億ドルを超えることも分かったという。

論文によると、マイニングは時価1ドル分のビットコイン当たり最大1.56ドルの気候変動による損害を世界にもたらし、16~21年の気候損害の平均は市場価値の35%に達した。この数字は20年5月にピークに達し、市場価値の156%を記録している。

一方、牛肉生産の気候損害は市場価値の33%、金鉱の損害は4%にすぎない(天然ガスと原油から生成されるガソリンの気候損害は、それぞれ市場価値の46%と41%)。

「マイニングに参加する多くのビットコインマイナーの居場所はIPアドレスから分かる」と、ジョーンズは語る。

「そこから、ある国で一日に採掘されるコイン数を推定できる。その国の電力構成に関する情報と、採掘に必要なエネルギー量を組み合わせれば、排出量を推定できる。さらにCO2排出量とCO2の社会的コストから、気候変動損害を割り出せる」
環境負荷を99%削減する方法が
ビットコインは数ある仮想通貨のうち最も環境被害が大きいと、ジョーンズは指摘する。「最悪なのはエネルギー排出量が圧倒的に大きいこと。16~21年のようにビットコイン・マイニングがPoW方式のまま化石燃料電源に依存し続けるなら、環境負荷は今後も縮小しない。むしろ気候変動への影響は時間と共に増大している。ビットコインは持続不可能になりつつある」

ビットコインのマイニング方法はひとつではない

現在のビットコインのマイニング方法が、仮想通貨を生成する唯一の方法というわけではない。ジョーンズによると、気候への影響が劇的に少ない別の承認方式に切り替えることは可能だという。

「エネルギー使用量と気候変動への影響を軽減できる生成プロセスは存在する。プルーフ・オブ・ステーク(PoS)だ。イーサリアムは最近、それに切り替えたばかりだ」

PoS型システムでは、ブロックチェーンネットワークのメンバーが選ばれ、手数料と引き換えに新しいブロックの取引を承認する。彼らの誠実さの保証として、承認者は自分の仮想通貨を担保に出さなければならない。それによって承認プロセスをごまかそうとするインセンティブをなくせるというわけだ。

PoSはPoWよりもはるかに少ない計算能力しか必要としないため、消費エネルギーもずっと少なくて済む。イーサリアムは9月にこの方式に切り替えた結果、エネルギー消費量を99%削減したという。しかし、PoWほど安全ではないとして、このシステムに反対する人々もいる。

それでもジョーンズは、「ビットコインも切り替え可能だ」と言う。「そうすれば気候変動への影響はほとんど無視できるものになる」

ジェス・トムソン(本誌科学担当)

地球環境を悪化させないために

大手自動車メーカーがガソリン車を廃止していく方針を発表していますが、現況の電気自動車では多くの電力を必要とします。
目標は地球全体の悪影響を食い止め、少しずつでも改善していかなければならないということです。

異常な自然災害が明日身近で発生するかもしれません。
小さな無駄をなくすことでも大勢がおこなえばいい影響をもたらすはずです。
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