銀行カードローンのテレビコマーシャルよく目にします。
実はこの銀行カードローンの貸付総額は既に消費者金融のカードローンキャッシングの貸付総額を抜いているということをご存じでしょうか?
銀行のカードローン残高が、貸金業者の消費者向け無担保貸付残高を上回った。
日銀の統計によると、銀行のカードローン残高は今年3月末現在4兆6113億円に上る。一方、貸金業者の消費者向け無担保貸付残高は4兆336億円で、6000億円近い開きがある。「2010年6月に施行された改正貸金業法に伴って導入された、総量規制の影響が大きい」(メガバンク幹部)という。
総量規制により貸金業者は、消費者への貸付残高を年収の3分の1以下に抑える必要がある。また、収入のない専業主婦に貸す場合は、配偶者である夫の同意書と年収の証明書が必要になった。これでは貸金業者の貸し付けは伸びようがないというものだ。
一方、銀行のカードローンには総量規制が適用されない。貸金業者による過剰な貸し付けが多重債務者を生み、自己破産が社会問題化した反省から総量規制が導入されたが、銀行のカードローンは審査も厳しく、多重債務者問題とは直結しないというわけだ。結果、「総量規制導入以降の5年間で、銀行のカードローンは約1兆4000億円も伸びた」(メガバンク幹部)という。
この記事はWEB版「サンデー毎日」2015年8月16日号のものです。
2017年現在銀行カードローンの勢いは留まることを知らず、グングンこの差を引き離しています。
三井住友銀行カードローン、三菱東京UFJ銀行バンクイック、楽天銀行スーパーローン、住信SBI銀行ネットローン、オリックス銀行カードローンなどが知名度が高い銀行カードローンで、テレビやインターネットでも目にしない日はないというくらいですね。
これらの金融商品が現在問題視されているようです。
銀行カードローンに問題あり!
銀行カードローンの問題-審査を丸投げ
お堅いイメージの代名詞とも言える銀行ですが、コマーシャルを通して売り出し中のカードローンの審査は保証会社に丸投げしているというのが実態だそうです。
審査に携わる人員をこの場合省略してコスト削減を図っているのでしょう。しかし審査を外注して大丈夫なんでしょうか?不安はないのでしょうか?
反社会勢力に関係していないかどうかのチェックは自行のデータベースでおこなっているようです。
銀行カードローンの問題-総量規制外は妥当?
改正貸金業法は利用者(債務者)の返済能力を正確に反映したものではないという指摘があります。
単に年収だけを基準にした制限では家族構成や保有する資産を無視しています。
銀行カードローンはフリーローンなので利用使途、つまり利用目的・使い道は基本的に自由です。
娯楽・交際費、生活費、旅行費用、車関連費用、入院・事故トラブル、他社借入れの返済、冠婚葬祭などが多く申告されているようです。
ところが銀行カードローンの上限額は1000万円を超えるような高額な商品も存在します。こっそり事業資金の埋め合わせに充てたとしても不思議はないでしょう。
また、適切な利用であったとしても、総量規制対象外なので利用者の借入総額は当然大きくなり、金利は低いが返済は上乗せになるのですから家計を圧迫することに変りはありません。
これからの銀行カードローン
そもそも銀行カードローンが伸びた理由
上限金利の完全施行(2010年6月18日に施行)以降に金銭の貸付け金利が20%を超えていると出資法違反で刑事罰が課せられることになりました。
そこから弁護士が介入して過払い金の返還が大流行。過去に返済したお金でも20%を超えていた分は返還してもらえるんですよとなったんですから、利用した経験のあるひとはこぞって頼みにいくでしょう。
消費者金融は返還によって資金を吐き出しながら、なおかつ顧客を失い続けています。
そこで金利を抑えた銀行カードローンに利用が集中するというとても自然な流れです。消費者金融よりも銀行カードローンのほうがいいに決まっている!という認識ですね。
銀行自ら改善していく
銀行なら必ず参加している全国銀行協会(全銀協)という情報機関が申し合わせにより、事態の改善に取り組もうとしています。
当然ですよね。銀行カードローンも適切に利用されてこそ顧客を増やすことができるわけですし、返済に行き詰って自己破産などが増えれば銀行自身の大きなイメージダウンです。
今後は自主規制によってテレビコマーシャルなどの宣伝も減ることでしょう。
審査も丸投げはやめて、審査時間は長くなるかもしれませんが、自行で行うようになるでしょう。
そして総量規制対象外という銀行カードローンの特例もむずかしくなってくるのではないかと言われています。
ということで、利用しようと考えていた方は今がいいのかもしれませんね。